<移動キッチンカー研究会>オフィス街昼食難民に活躍する移動キッチンカー、その新たな可能性

2013年7月4日

移動キッチンカーが注目を浴び始めています。簡易的、かつ常に目新しいものを提供できるので、オフィス街の昼食難民には大変適していると言えます。今、都内の大規模駅前再開発を行う地域でも、その試みが始められています。

女性の心を掴む移動キッチンカー、街に溶け込む移動キッチンカー。このような視点からも、今後の移動キッチンカーの新たな役割が見えてきます。ティーム有限会社取締役の新井田貴則氏にお話しを伺いました。

P1180176

 

フジロックフェスティバルの運営を手掛けたことがきっかけ

ティーム有限会社のTEAMは、”Total Entertainment & Management”の頭文字からとっています。仕事の基本主軸は、イベントの運営や開催、企画、そしてそれらの広報宣伝やPR業務全般です。

会社を設立したそもそものきっかけは、17年前、先代の代表がフジロックフェスティバルの制作・運営を手掛けることから始まりました。一日3万人から5万人動員するイベントに成長しているこのフェスティバルにおいて、当初弊社がステージ以外の部分の企画運営を行っておりました。これがきっかけで、現在は各地色々なフェスティバルで「飲食」に関連するお客様が安全で楽しめるための企画からインフラ作りまでを行っており、ステージとは別の第二のステージ作りだと私たちは考えています。イベントへの出店管理として、テントやキッチンカー、ケータリング形態の飲食や物販に係る募集、選考、管理なども行っています。

team1

インフラの部分で言えば、飲食を取り扱う場合、お水、火、排水が必要になります。フジロックフェスティバルには10個のステージがあり、それぞれに飲食店やトイレがあり、そのインフラを作っています。

オフィスビルである、中野セントラルパークの新しいランチの賄い方

フェスティバルで培ったノウハウのおかげで、イベント現場以外でも声がかかるようになりました。その中の一つが、中野セントラルパークです。

中野駅および駅周辺において複数の開発計画が進められていますが、中野セントラルパークは、その中核を担う2棟の大規模なオフィスビルです。その大型オフィスビルの悩みとなるのが、昼食難民。このエリアの昼間人口は1万5千人と言われ、更に近隣にはいくつかの大学の進出も決定していますので、更に拡大します。

このような場所で、ランチに特化した移動キッチンカー営業を今年(2013年)の2月からテスト形式で始めています。一日4台を11時から15時に配置しています。

team5

team3

 

移動キッチンカーの出店条件は車の形態や場所によって異なります。調理内容、水の量、出店ルール、賠償保険の種類など。このセントラルパークはキリンの本社として5月から本格稼働しているので、キリンビバレッジ商品以外は販売できないことになっています。ランチの時間になると下層階の店舗がパンクするので、ランチ需要のために移動キッチンカーを配置しようというわけです。平均販売数は30~100食。売り上げは2万円~5万円程度です。

team4

 

来店ターゲットは、周辺企業の会社員、大学生、住民、親子連れのお客さま。特に女性客が多く、ランチの時間にグループでやってきて、日替わりのメニューを楽しんでいただいています。周辺店舗との差別化のために、オーガニックや玄米ご飯など、からだにやさしいメニューも提供しています。移動キッチンカーの装飾も、女性の目を引いています。

 

これからの移動キッチンカー、その役割とは

これから移動キッチンカーは様々な役割を担い、ますます普及するのではないかと思います。中野セントラルパークでの大規模再開発地域だけでなく、街なかでも移動キッチンカーが活躍しています。移動キッチンカーは、あるだけでイベント感を出すことができますし、店舗の入れ替えも容易で、簡単に非日常の空間を日常的に作ることができます。

team2

いつ、どんな移動キッチンカーが回ってくるかが分かれば、お客様にとっても楽しみになりますし、事業者にとっても街なかの様々な場所に効率的に回ることができるようになります。

中目黒のある洋服屋さんでは、店先に移動キッチンカーを出して、子連れでも楽しめる空間を作っています。植物を置くことによって、オープンカフェの雰囲気を醸し出し、街に溶け込んだ空間を作ることも可能です。

team6

 

team7

これからは「車を改造したもの」というより、「お店にタイヤをつける」という感覚のものも増えていくと思います。商店街がそのまま移動キッチンカーになることもあるでしょうし、飲食ばかりでなく、足の速いお花などにも移動カーは適しているので、組み合わせで更に楽しい空間を演出することができます。

team9

team8

大切なのは、周りの景観を損なわない、街に溶け込むことで、うまく演出できれば街づくりの大切な要素になります。安全面や法的にもまだまだ課題はありますが、女性の心を掴み、かつ簡易性、利便性に富む移動キッチンカーの可能性は今後ますます増大するのではないかと思います。