◆セミナー実施報告◆ 平成24年12月17日開催 ドクターズキッチン研究会

2013年2月22日

12月17日、東京会場においてドクターズキッチン研究会ワーキングを開催され、給食会社、厨房機器メーカー、フードコーディネーター、医療機器メーカー、コンサル、栄養士の方々が参加されました。

新産業文化創出研究所 所長 廣常啓一氏からはドクターズキッチン構想の概要や研究会の進め方、ビジネス化の方策などの紹介がされました。その後、研究会参加者からのプレゼンテーションとして株式会社エム・ディーヘルシーフーズ 代表取締役の伊達伸治氏からは、高齢化社会に向けた食のソリューションとして、嚥下困難者にもおいしい食事の提供ができる凍結含侵法の説明と試食会を行いました。

◆ドクターズキッチン構想について
新産業文化創出研究所 所長 廣常啓一氏

世の中の課題に対するソリューション、新しい市場を創るためには、産業形態も複雑になっているので一社の今ある技術や学問体系上にあるとは限りません。そこでこれからは異分野連携による取組みがますます必要になってきます。

食と農業をあわせると約110兆円の大きな市場ですが、これが医療健康産業と合わさることで更に大きな市場が形成されます。ドクターズキッチン構想はその領域への参入となります。

その中で新しい市場創出のための取組みをしようとしても、実は自分の業界のことしか知らない場合が多いのが実情です。

例えば医療・健康分野に参入したいと思っていても、外食や給食業界などでは健康な食事にするための法律や医学的根拠、そのための調理法や食材の管理法、取り扱い方法などに詳しくありません。一方、医療関係者は食や農業、農作物のほか、調理やそのビジネス化、サービス手法などについて詳しいわけではありません。管理栄養士は食材や食事の人治験などによる医療における科学的根拠を専門としているわけではありません。

そこで、縦割りの業界に横串を入れて研究会を開催しようというのがドクターズキッチン研究会の趣旨となります。特定の食材の開発、そのための調理方法や調理器の開発、保存方法、物流などを、異分野で連携して開発したり、サービス提供のためのインフラを構築していきます。

ドクターズキッチンとは、食を通じた健康管理から予防医学において、科学的根拠に基づく食事を個人の健康状態に応じて指導したり、幅広いサービスを提供することを指す全体総称です。その中でも、特に医療機関や医師の介在を通して、食事箋などの個人向け食事指導方法をシステム化し、個人の健康医療データなどによる効率的な食事供給を社会インフラとして整備するものです。

その背景には、日本の栄養自給率がカロリーベースの食料自給率より低い値にあることや医療費の高騰カットのための様々な制度改定、健康にかかわる表示や提供に関する医師法や薬事法など、が大きく影響しています。特に診療報酬制度、介護保険、報酬改定は様々なところに大きな影響を与えることになります。一つのソリューションとなるのがドクターズキッチン構想です。

イメージとしては、医師が科学的根拠を作り、料理人や管理栄養士と共にメニュー開発を行い、それにあった機能性食材を生産者が作り、その食材と合わせます。

健康な調理が簡単にできるような調理機器の開発、このコンテンツを病院、外食産業や給食産業、中食で提供します。

薬と食べ物の食べ合わせの取り扱いが問題となっていますが、今後薬の取り扱いだけをしてきた薬剤師にそのあたりの領域を担ってもらうことも考えられます。

このようなものがドクターズキッチン構想の全体像となります。

 (以下 詳細は中略)

※詳細は今後、定期的に開催されますドクターズキッチン研究会と具体的実施プロジェクトのためのワーキングにご参加ください。

 

◆ 株式会社エム・ディーヘルシーフーズ 代表取締役 伊達伸治氏

凍結含侵法は、主に食材を柔らかくする効果があり、嚥下・咀嚼困難者のための食材開発として使うことができます。高齢化が進み介護者の減少が予測される中、今後、調理済みの食材ニーズが増えるものと思われます。

加工方法は、凍結・解凍した食品素材を酵素液に漬けたまま減圧して酵素をしみこませます。その後、酵素を失活させるために80度まで加熱します。

凍結含侵法による加工の特徴は以下の通りです。

・嚥下困難食は通常見た目が悪くなりますが、そのままの形を保つことができます。

・(骨や魚卵などを除き)好きな固さに変えることはできます。

・機能性ペプチドやオリゴ糖などを生成することができます。

・栄養素がほとんど減りません。(最後の80度までの加熱時に多少減少。)

・調理工程が少ないので、光熱費の削減になります。

・他の栄養等を素材の中までしみこませることができます。

・一般食としても牛すじ、鳥の胸肉など固くて使いにくい食材を、安く柔らかくおいしく加工できます。

この方法は広島県が開発し、特許を持っています。現在46社が使用許可の許諾を受けていますが、弊社が畜肉専門のメーカーでは初めてとなりますので、色々な畜種・部位で豊富なメニューを提供したいと考えています。

また、嚥下・咀嚼困難者にもハレの日の食事を楽しんでいただきたいので、おせち料理、花見料理等の提供なども考えています。