「アニメ・キャラクター」と「フードサービス産業」 ~一般社団法人日本動画協会 専務理事/事務局長 松本悟氏に聞く

2012年12月10日

ケルククラブでは、女性と子供の心を掴むフードサービスマーケティング研究会として、女性やファミリー層の心を掴むことによるフードサービス産業の発展のためのセミナーを定期的に開催しています。その中で新たに一般社団法人日本動画協会と連携し、アニメ・キャラクターを活用した新業態ビジネスを考えるワーキング部会を始めます。(詳細は記事の最後をご覧ください。)

今回はそれに先駆け、その一般社団法人日本動画協会の専務理事の松本悟氏に取材をさせていただきました。一般社団法人日本動画協会は日本を代表するアニメ製作プロダクションの正会員33社と、アニメの配信や映像ソフト販売、ポストプロダクションなど関連企業の準会員社27社が属する機関です。松本氏はガンダムのプラモデルやキャラクター玩具の企画から設計を経験。今のガンプラの基礎を築きあげられました。ガンダム等のアニメーションの制作に関り、動画配信と映像パッケージの販売事業等を経て、今年7月に日本動画協会の専務理事に就任されました。

聞き手は新産業文化創出研究所 所長、廣常啓一です。

 

地域の特性や食事にキャラクターを関連づけさせる提案

 

廣常:秋葉原のガンダムカフェは、開店当初から長蛇の列ができる大人気店ですが、アニメ・キャラクターを飲食業に応用させていくことについてはどのようにお考えでしょうか?

松本:食品や食事、飲食店への応用は十分考えられると思っています。アニメの物語を店や街づくり、観光に結びつけることが可能となります。

アニメの中に食事のシーンが結構たくさん出てきます。青山のどこかで食事をするシーンとか。これらのシーンを集めて、「アニメワンシーンキャラクターレストラン」などがあれば流行るかもしれません。

 

この二、三年、アニメの背景に京都や千葉などのいろいろな街を使うことがブームになっていますが、そこが一種の見学観光地になって、アニメファンが訪れるという事例も少なくありません。キャラクター由来のお土産があれば、街おこしにもなります。

地域の特性や食事にキャラクターを関連づけることもあり得ますし、私はそれを提案したいと考えています。

ガンダムカフェは、今申し上げたような「ワンシーンカフェ」ではありませんが、キャラクターのイメージや世界観にあったレストランメニューを出そうとしています。キャラクターの持つイメージや形そのものを表現しながら、提供する味そのものも本物志向で行きます。つまり、食事としてのおいしさは守りながら、そこにキャラクターの付加価値をつけてやっていくということです。

今はお菓子や飲み物ばかりでなく、豆腐とか漬物にキャラクターを使った商品なども出てきています。それを集合させた居酒屋なども面白いのではないかと思います。お土産なども置き、店構えも整えれば一つの世界観が出来上がります。

 

新しいライセンスビジネスのマーケット

 

廣常:以前、日本動画協会と一緒にキャラ弁コンテストをやりました。その時はコンテスト以降、どのように産業にしていくかという所で話が止まってしまいました。今は添加物や調味料で食品にプリンティングする技術もできていますし、様々なことができるようになっています。

 

 

厨房機器の中に型押しする装置などを仕込めば量産することができます。それらを活用する出口を外食、給食、中食などのお惣菜屋とすれば、ライセンスの新しいマーケットが育つのではないかと思っています。量産できるということがポイントなのではないでしょうか。

松本:キャラ弁をレシピ化してチェーン展開をしていくっていうようなことも十分考えられますね。

廣常:キャラクターといえば、今、アンパンマンなどはすかいらーくグループと組んで、ホットケーキにキャラクターを描かせるというメニューなどもあるようです。子供に人気のようですが、少し残念に思うのは、ただ子供たちに描かせて終わってしまうということです。

松本:メニューだけでなく、店舗内を含め何らかのストーリー性を持たせると更に面白いものになるかもしれません。

廣常:子供もそれ一つしかないと、そのうちに飽きてしまいますしね。メニューを増やすとか、テイクアウト、お土産、そしてそのお店で食べたものを家に帰ってから作ることができるような型押しなど、商材を拡張していくと良いと思います。

松本:こういうものはアイデア勝負のところもありますからね。

 

廣常:食品そのものだけでなく、農業などへもどんどん活用したいですね。生産品のブランドに協力するという形です。農業振興にアニメが活用された、という形ができればいいなと思っているのですが。

松本:私も委員として参加している杉並の産業振興審議会というのがあり、産業振興の分野に農業も入っています。農業の活性化と言えばブランド名での差別化だけではないと思うのですが、どうしても皆さん、そちらの思考へと流れてしまいがちです。

廣常:今、農産物に直接印字できるフードプリンティング技術があります。ブランドシールなどは偽装されるケースもあり、その偽装ブランド防止のために直接印字されるように使われています。そこにキャラクターを組み合わせることなども可能ですね。

 

キャラクタービジネスの今後の可能性

 

廣常:キャラクターを活用すれば様々な可能性ができてくると思いますが、キャラタービジネスの今後の方向性や可能性をどのように見られていますか?

松本:私がバンダイの創業者から言われたことで、非常によく印象に残っている言葉があります。それは「松本君、これからは世の中の商品は全部キャラクターだぞ」と言われたことです。キャラクターの可能性が無限大だということです。「銃と薬には手をだすな」とも言われましたが(笑)。

私はずっとそれを心にとめてきました。私が長年かかわってきたガンダムですが、原作から30年経つ今でも多くのファンを獲得しています。私はこれを二世代キャラクターと呼んでいますが、ここに一つの大きなヒントがあります。

 

私はプラモデルやキャラクターの設計当初からかかわっていますが、当時はプラモデルを作るにも接着剤や塗装技術に手を加えないときれいに作ることができませんでした。その中でそれらを上手く作るマニアが生まれ、更にガンダムの世界に魅力が増し、熱狂的ファンというものを作ってきました。

ガンダムを幼少時代見て育った人は、三十年経ってお金と時間のある大人になっています。その方々が今なお展開し続けているガンダムの根強いファンとなり、ファミリーを通して、今度は自分の子供たちへと引き継いでくれているのです。ファミリーは、非常によい伝達の手段だと考えています。

昔のものでも、今の技術や素材、新しい業態や場所を通して、また復活するものだと感じています。

キャラクターのライセンサー側もいろいろ模索はしていますが、なかなか新しい業態開発には至っていません。技術や素材、アイデア、場所などとジョイントすれば本当にパワーのある企画になるのではないかと感じています。

廣常:そのためにも、今、日本動画協会と私たちが始めている「食」と「アニメ・キャラクター」の新業態への取組は、様々な可能性を感じますね。新しい分野に取り組む場合、異業種間でコラボする場合は特にお互いの業界を良く知る必要があります。12月11日は松本さんにご登壇していただくことになっています。どうぞよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

 

<お知らせ>

 

ケルククラブでは、女性と子供の心を掴むフードサービスマーケティング研究会として、女性やファミリー層の心を掴むことによるフードサービス産業の発展のためのセミナーを定期的に開催しています。その中で、新たに一般社団法人日本動画協会が主催しているアニメビジネスパートナーズフォーラムと連携し、アニメ・キャラクターを活用した新業態ビジネスを考えるワーキング部会を始めます。

 

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(ワーキング部会)

12月11日 http://kelcclub.jp/2012-12-11/1042.html

1月15日  http://kelcclub.jp/2013-01-15/1087.html

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12月11日と1月15日のワーキング部会は主にフードサービス・関連する業界に向けて行うものです。上記のURLからお申し込みいただくことができます。

そのマッチングのカウンターパートナーとなる方々の集まりとして、日本動画協会では、会員であるアニメ関連業界と情報メディア関連の企業様を中心に「アニメビジネス・パートナーズフォーラム」として「アニメ・キャラクターと食」について議論する場を設けています。上記にお申し込みいただいた方の特典として、同日の

「アニメビジネス・パートナーズフォーラム」(ワーキングテーマ#6)『「新業態!アニメ&キャラクター×飲食・サービス・イベント・施設展開」~アニメ&キャラクターによる新業態開発~』

を聴講することができます(詳細は上記のURLより)。