◆セミナー実施報告◆ 11月6日『女性と子供の心をつかむフードサービスマーケティング研究会』 ~ サトレストランシステムズ株式会社様

2012年11月24日

11月6日、エルテック新大阪で『女性と子供の心を掴むフードサービスマーケティング研究会』、第二回「ファミレス低迷期を乗り越えた!和食さとが取り組んだ改革とは」を開催しました。

 

◆「ケルククラブのプラットフォーム事業」 ~事業の方針と今後の方向性について

株式会社新産業文化創出研究所 所長 廣常啓一氏

 

ケルククラブでは様々なセミナーを開催していますが、単なるセミナーに終わらせるのではなく、皆様のビジネスに貢献できるようなものにして行こうということで、様々な分科会(研究会)を計画しています。

今回の「女性と子供の心を掴むフードサービスマーケティング研究会」のセミナーは、赤で囲んだ「ケルクオープンカレッジ」にあたります。この研究会でワークショップや会議を開催しながら異業種を含めたメンバーによる議論の場を設け、コンソーシアムチームを作って、事業化又は製品化、市場導入へと進めて行きます。

その過程ではビジネスの市場性、ビジネスモデルの課題などをケルククラブまたは研究会メンバーで調査し、その調査を元にプロジェクトの提案をさせていただきます。

たとえば、本日のサトレストランシステムズ様と異業種の方との連携で事業に結び付けて行ったり、その他にも企業や業界の課題を参加者から投げかけていただければ、それに対する解決のための研究会を作りながら事業化へ結び付けていくという具合に進めて行きます。

事業化へ結び付ける計画の研究会の一つが本日の「女性と子供の心を掴むフードサービスマーケティング研究会」となります。

その他の候補としては、(ピンクで表示)

・ドクターズキッチン研究会(抗加齢、抗疲労のためのメニュー開発など)
・デジタルキッチン(スマートキッチン)研究会
・エンターテイメントキッチン(見せるキッチン)研究会
・駅ナカキッチン研究会
・セントラルキッチン研究会
・移動レストランキッチンカー(ケイタリングカー)研究会
・繁盛店プロデューサー活用企画

となります。

これらをセミナーやワークショップ以外にもホームページやSNS(facebookやtwitter)、動画などで関連する情報発信を行っていく予定です。セミナーの様子やスタジオで作成したEラーニング(映像による授業プログラム)などの講座も入れていきます。

また、安心安全や厨房機器の使い方などの研修や勉強会なども行う予定です。(黄色で表示)。

第3回目の「女性と子供の心を掴むフードサービスマーケティング研究会」では、ユニバーサルスタジオジャパン様(USJ)よりキャラクターを使ったメニュー開発や商品の事例紹介をしていただき、そこでもコラボレーションによる事業化を進めて行きます。アニメや漫画、ゲームの業界、キャラクターの業界にも現在呼びかけをしています。

このような形で続けながら、年度内に実際の事業化の目処が1つでも2つでもできればと思っております。事務局ではこのようなビジネスマッチングやプロジェクトマネジメントの準備を進めているので、様々なご要望や意見を是非いただければ、それに対応してまいります。

 

◆第一部: 「ファミレス低迷期を乗り越えた!和食さとが取り組んだ改革とは」

サトレストランシステムズ株式会社 取締役 兼 執行役員 永井 正信 氏

 

この10年、直近で言えばこの3年、サトレストランシステムズが低迷期を乗り越えようと取り組んできたことについてお話しながら、本日の話を通して皆様に何かお役に立つことがあればうれしく思います。

外食産業創生期とも言われる万博以降(昭和33年創業、44年会社設立)、弊社もいろいろな事業をスタートしました。拡大成長時期には、土地の購入、それを担保に次々と投資しながら順調に拡大してきましたが、バブル崩壊後、縮小傾向をたどり、改善のための改革を続けてきました。店舗の閉鎖や本社の売却などの大改革を行ってきましたが、ここでわかったことは赤字店を閉鎖しても利益はでないということです。

そこで、この3年は、違う改革、すなわち店数を確保しながら財務や業務の改革を行うことで会社の体質を変えるという改革に取り組んできました。

お陰様で今期末には財務的には、有利子負債が月商の約3か月分となり、ほぼ目標に近い状態となる予定です。

その改革の一環として、本社を今月(11月19日)に大阪市内の大阪国際ビルディングに移転しますが、機会があれば是非地下1Fのテストキッチンにお越しください。

今回の本社移転に際して、弊社の社長が日ごろから懇意にしていただいている5社の社長にお願いして、その本社を訪問させていただきました。特にその中で株式会社グリーンハウス様のテストキッチンを見学させていただいた際に、「キッチンスタジアム」というコンセプトで、仕入れや商品開発担当の方が、社外の方も集った中で白熱した議論を展開しながら商品開発を進めていく姿に感銘して、コンセプト作りから参考にさせていただき、サト流「キッチンスタジアム」を新本社の目玉として作り上げました。

今後、中長期的には出店の強化、更なる本社業務の効率化、海外対策、M&A、各事業部の子会社化などの改革などを順次進めて行きたいと考えています。

ここ3年の改革の内容としては、出店を抑えながら、既存店への投資、特に厨房への投資に努めてきました。厨房の改善としては、生産性の向上、ロスの削減に力を注いできたことになります。(マイクロ炊飯器の活用、LED照明への切り替え、機器類導入による生産性の向上など。)

これからは、2014年から始まる消費税増税(2014年4月8%、2015年10月10%)、経済の不安定による外食産業市場の縮小、食材や人件費値上げ、電力の問題など、外部環境による課題に対応する必要があります。

我々はそれらに対応するため、常に実験検証を繰り返しながら取り組んで行こうと考えています。フロアの生産性向上のためのテーブルオーダーシステム(お客様をお待たせしない)や、2014年増税に対応したメニュー開発を検討しています。

メニュー開発の経緯を見ますと、我々の改革の一つの目玉としてさとしゃぶ食べ放題を2010年に開始しました。その後もスープの選べる二色鍋や一品料理食べ放題の取組(プレミアム)を行い、またランチメニューの改善などが、20代、30代のファミリー層の心を掴み、ご来店を増やしたきっかけになったのではないかと考えています。

現在、消費税のアップに備え、さとのグランドメニューから1000円以上のメニューをなくすという大胆なメニュー開発のチャレンジを始めています。

新しい試みとしては、アークランドサービス株式会社様から関西圏の「かつや」事業を弊社と一緒に拡大したいという要望をいただき、今後の自社のフランチャイズ・システム展開の参考とするためにも2010年に合弁会社を設立し、同事業に参画することにしました。

キッザニアへは、2009年より出展しています。オープン以来毎日、一番最初に行列が出来るほどの人気ぶりですが、キッザニアへの出展は利益を生むものではなく、イニシャルコストと年間フィーを払う持ち出しのみの仕組みとなっています。しかし、ブランドイメージの向上と共にファミレスの役割を改めて見直す良い機会となりました。

また、出展を機会に子供たちに楽しんでいただけるようにと、「さとキッズくらぶ」をはじめました。今はモバイルクラブへと変化をさせていますが、安全、安心、品質の強みを伝えながら子供にたのしい仕組みを作っています。フードストラッププレゼント、子供の提案するキッズメニューの取組みなどを行っています。

キッザニア以外でも、以前から子供たちの体験学習にも力を入れています。障がい者雇用も率先的に行っています。

ファミレス業界は苦戦していますが、ファミレスの定義通り、ファミリー、お父さん・お母さん・子供たちに焦点をあてた店づくり、商品作り、そしてそれを支えるキッチンの生産性の向上があいまって、弊社の業績は今のところ順調に推移しているという実感を持っています。

しかし様々な外部的な不安定材料がありますので、これからも自社のたゆまぬ改革に加え、本日参加されている企業様にも知恵、力を貸していただきながら「50年企業」から「100年企業」に向かって進んでいきたいと思っています。

 

◆第二部: 「マ-ティング調査から見えてくる新業態の可能性とは 」  -繁盛する新業態「さん天」!関西人が認めた味を堪能して下さい-

 

和食さとで一番売れている天丼に特化して、新規事業としてはじめたのが「さん天」です。これから益々ニーズが拡大するであろうファストフードとして、スピード、低価格、出来立てにこだわった展開をすることにしました。

天丼という商材を選ぶまでにも、様々な社会的背景や調査結果を考慮しました。

単家族の増加、女性の社会進出、食事時間の減少。また天丼は、女性の丼もの人気ナンバーワン、30~40代の社会人アンケートでも、好きな丼ぶりのナンバーワンにあがっています。中高生にはランクインしていませんが、これは価格の高さが影響しているものと思われます。

また天丼の店舗数も圧倒的に関東の方が多いことがわかりました。このような要因を考慮し、価格の検討も行い、380円で、速い・安い・あつあつの天丼店「さん天」の事業展開を決めました。

1号店は、お待たせしない「速さ」という点でまだ改良の余地があるものの、大成功であったと言えます。しかし、立地や他の条件が良すぎるために新展開事業のデータとしてはかえって不十分となってしまいましたので、更に立地条件等を変えて出店を行い、実験を行っていく予定です。

かつやは関西でフランチャイズを行っていますが、さん天は全国でのフランチャイズも視野に入れています。既に多くの問い合わせをいただいていますが、もう少し事業性を固めた上で展開して行きたいと考えています。

 

◆実演・試食タイム(さん天 海老天丼380円)

 

出来立て、あつあつの、大変美味しい試食の時間でした。
サトレストランシステムズ株式会社の皆様、ありがとうございました。