合言葉は「街に元気を!」 一人一人一社一社が、 「志」を持ってできることをする。- 株式会社RETOWN。代表取締役の松本篤さま

2012年2月15日

街に元気を!」を事業コンセプトに、生産者と連携した飲食店舗などを積極的に展開している株式会社RETOWN。代表取締役の松本篤さまは、フランチャイズチェーンの運営支援会社や焼鳥チェーン会社などを経て、28歳の若さで同社を設立。経営者としての熱い想いや飲食業の役割などを語っていただきました。

日本は、いま、厳しい状況ですが、私は「いい時代になった」と思っています。

今、日本は厳しい時代だと言われます。ですが、私は「いい時代になった」と思っています。追い詰められている分、間違いをしている余裕がなく、消費者の目もシビアになっています。そのため、今までのように勢いや流行だけの飲食店は淘汰され、ちゃんとまじめにやっている店・会社こそが成果を出せるようになったのではないでしょうか。そういう意味で、「いい時代」だと言えると考えています。

日本には、制度疲労を起こしている仕組みがたくさんあります。例えば、食材流通にしても無駄が多い。八百屋併設のCAFE「Green Cafe」では、産直商品と市場商品の両方を採り入れ、役割分担させながら無駄や負担を省いています。ドラスティックに変える部分と役割分担する部分とを考えながら、仕組みをあるべき姿へと近づけていけばいいのではないでしょうか。政治が変わっても何も変わらないことはもうわかりました。これからは民間がリスクを取り、志を持ってできることをするのが大切です。一社一社、一人一人が自分のできることをする。その流れが大きくなったときに日本は変わると思います。

 

飲食業に興味を持ったのは、親戚が神戸に出していた店がきっかけでした。ずいぶん流行っていたので多くの人が集まり、その様子に「一軒の店でこれだけ人の流れを変えられるのか!」と衝撃を受けました。阪神・淡路大震災で休業を余儀なくされましたが、3カ月後に復活したときは死んだようだった神戸の街がそこだけ元気になったようでした。飲食店の役割は大きいと感じました。

どうすれば街にいい影響を与えられるか―。自分なりのアプローチでできる方法を考え、店づくりに関われる仕事を探しました。フランチャイズチェーンのコンサルティング会社や焼鳥チェーン会社などで経験を積んだ後、28歳で株式会社RETOWNを設立しました。社名の “RETOWN”も、街を元気にしたいという想いを込めています。

創業当初は、早く会社の基盤を固めたかったこともあり、年間を通して売り上げに波のない焼鳥店からスタートしました。焼鳥は季節性がなく、食材も安定しています。また、専門店でありながら調理人の研修がしやすく、出店する場所も繁華街に縛られないし、展開もしやすい。屋号の「ちんどん」は、「チンドン屋が来ると街が元気になる」というところから決めました。

「店ができるとあかりが灯り、景色が変わる」飲食業は、街にいい影響を与えられる仕事です。

焼鳥店をはじめ、これまで手掛けた店は居酒屋業態が多いのですが、夜間に営業する店ができると、あかりが灯ります。すると、景色も変わる。その様子を見るのが好きなんです。
飲食業は、小さいながらも街にいい影響を与えられる仕事。弊社のように生産者と連携している場合には、店のある街はもちろん、同時に産地にもいい影響を与えられるのではないでしょうか。

その後、焼鳥店のほかに、黒毛和牛の焼肉店、産地直送の生まぐろを扱う海鮮居酒屋、八百屋併設のカフェなど、さまざまな業態へと広げてきました。多業態展開にしたのは、鶏、牛、魚、野菜といった一通りの食材の専門業態をやりたいと考えていたためです。将来的にはそれらをミックスした業態も手掛けたいと思います。また、専門業態は人の育成もしやすく、規模が小さくても展開しやすい。弊社では、のれん分けによる独立支援もしているので、小さな店の方が独立しやすいというメリットもあります。

安定した成長のためには、「人」と「不動産」が欠かせません。

コンサルティング会社での経験から、いい店にするには、「人」と「不動産」が揃わないと店は増えないことに気づきました。店が軌道に乗っていれば資金は調達できます。でも、人と不動産は、資金はあっても情報がなければ調達できません。その点で伸び悩んでいる経営者をたくさん見てきました。そこで、株式会社RETOWNでは、安定した成長をめざして創業当初から人材紹介部門と不動産関連部門を事業化しました。

 

飲食業界は転職・離職率が高い業界です。とはいえ、必ずしも人に原因があるとは限らず、会社側と働く側のミスマッチも問題だと考えました。それを解消するため、人材紹介の中でも紹介予定派遣サービスにこだわり、3カ月間の派遣期間を経てから採用・不採用を決める方式としたのです。3カ月間の“お試し期間”を経ることでミスマッチを減らせ、今では1年間の定着率90%という実績を得ています。紹介予定派遣はどうしても割高になるのですが、離職率を踏まえた採用コストと考えると「決して高くない」と、お客さまにも言っていただいています。

実は、立ち上げから約4年間、自社グループの採用にはこの紹介予定派遣サービスは一切利用しませんでした。自社の店に優秀な人材を入れたいという誘惑は、もちろんありましたが、人材紹介会社として強くならなければ、プロにならなければ…と考えたのです。弱い者同士で助け合っても、大した成長は望めませんから。

今は月平均で200人の登録があり、約50人の採用が決まります。採用に至らない人の中にも、少しがんばれば十分に戦力になる人もいます。今後は、そうした人たちに向けて、今の飲食業界で求められるスキルが身につけられる人材教育事業にも取り組んでいきます。すでに紹介予定派遣サービスでの実績もあるので、就職支援もしっかり行うことができると思っています。

さらに、これから先は国内だけでは仕事が足りなくなるので、海外に人材を連れていく事業も手掛けたいと思います。たとえば、ベトナム。ベトナムはインフラが整っていないので日本の食材が手に入らず、腕のいい職人がいても日本の味が再現できていません。こうした状況を見て、しばらくは自社の店を広げるより、ベトナムに進出する日本企業を食材や人材の面でサポートする方が面白いと考えました。大手企業がまだ参入していないベトナムなら中小企業でも勝負できる。その環境をつくりたいと考えています。

夢を実現するための選択肢を提供する。それが会社としてできる「一番のこと」です。

私は経営者として、「人の夢を叶えてあげることはできないが、夢に近づく選択肢を提供することはできる」と考えています。がんばってもらえる環境・選択肢を提供することが、会社ができる一番のこと。独立支援もそのひとつです。独立したいという夢を持つ人は多いのですが、優秀な店長でも独立すると急にダメになるケースもあります。それは、経営者とサラリーマン(店長)とでは違いがあるため。そこで、経営者とサラリーマンの間を経験できる「レンタル制度」を設けました。

「レンタル制度」とは、軌道に乗っている店を3~5年間レンタルできるシステムで、赤字リスクは会社が負います。つまり、赤字になった場合は直営店に戻すことになるものの、給料がゼロになることはありません。契約期間終了後はその店を買い取ってもいいし、レンタルのままでもOK。2店目の店を持つこともでき、実際にレンタル店を2つ運営しているオーナーもいます。いろいろな選択肢があるのです。

また、食材の産地や生産者と取引する際にも、こちらのペースや言い値を押しつけることはしません。生産者と一緒に値段を決めるようにし、さらに私たちで消費者の声を拾って無駄のない生産計画を提案するようにしています。食材を買い取るのは、あくまで手段のひとつ。私たちの店づくりを通じて、ものが流れ、人が集まるきっかけづくりができればいいと考えています。

飲食業に携わる人たちが夢を手できるように、街や産地が活性化するために――株式会社RETOWNは事業コンセプトである「街に元気を!」を実現するための6つの志を掲げています。今後も、この6つの志を軸に、企業として成長していきたいと考えています。

<6つの志>

1. 本物をリーズナブルに
2. 飲食業界で働く人々の生活と充実感の向上の実現
3. 独立を志す人たちが少しでも安全に独立できる環境を
4. 学生や高齢者、障がい者、外国人にチャンスを
5. 有効活用されていない不動産や廃れてしまった街の再生
6. 日本の食材・食文化を海外に発信することで世界の食文化の発展に貢献する

「株式会社RETOWN」のご案内

株式会社 RETOWN

http://www.retown.co.jp/
本社 〒556-0017 大阪市浪速区湊町1-4-1 OCATビル6F
TEL. 06-7651-1172

2004(平成16)年に設立。創業当初から人材紹介事業や不動産事業を立ち上げる。最近では、OCAT活性化や大阪府高山地区の村おこしプロジェクトなど、1軒の店に留まらず大きな施設や地域を対象にして独自の取り組みを展開している。業態は焼鳥や海鮮、焼肉といった専門店が中心で、産地・生産者との連携が特色。現在、直営店とFC店あわせて約60の店舗を持つ。

<業態展開>

焼鳥居酒屋「ちんどん」「陽の鶏」「かしわ舎」
http://www.retown.co.jp/tenpo/yakitori_gyotai/index.html
海鮮居酒屋「ほんまや」
http://www.retown.co.jp/tenpo/kaisen_gyotai/index.html
焼肉「犇(ひしめき)屋」
http://www.retown.co.jp/tenpo/yakiniku_gyotai/index.html
鉄板焼き「西中島鉄板食堂」 ほか
http://www.retown.co.jp/tenpo/teppan_gyotai/index.html

 

 

BAR 「wine bar mela」 ほか
http://www.retown.co.jp/tenpo/bar_gyotai/index.html
CAFE 「Green Cafe」 ほか
http://www.retown.co.jp/tenpo/cafe_gyotai/index.html